「ミャンマーのメイドさんをクールに」 家事代行業で起業したハーベスト社長の村上由里子さん

 

ミャンマーは女性が輝く国だ。アウンサンスーチー国家顧問は言うに及ばず、企業の社長らビジネス界にも活躍する女性が多い。そんな中で、日本の女性も活躍している。そのひとりが、プロの家政婦を育て、派遣する家事代行サービスを起業した村上由里子さんだ。どうして、ミャンマーでこうした事業を始めたのか、その理由を尋ねた。

 

――村上さんは大変ユニークな経歴だと思いますが、どうしてミャンマーで起業したのか、そこまでの話を聞かせてください。

そうですね。発展途上国に興味があり、どうにか関わることができないかと大学時代にいろいろなところでボランティアやインターンをしていたのですが、マザーハウスでのインターンシップが転機になりました。社長は24 歳でバングラデシュで起業しているのですが、そうしたことができるんだ、自分もやりたいと思ったのです。

 

新卒で海外青年協力隊でルワンダにわたり、ホテルの立ち上げに携わったのですが、自分の経験のなさで十分な仕事ができませんでした。その後星野リゾートに就職したのですが、途上国の生活を変えるビジネスをしたいと思っていたので、2年半で同社を退職しました。同社で身に着けたハウスキーピングの技術を使っての家事代行業を思いついたは、会社を辞めた3日後でした。そしてビジネスコンテストに参加したところ、最優秀賞をいただいたのです。その時はまだミャンマーではなく、別の国でやることを考えていたのですが、その後視察に訪れたミャンマーに思い入れが湧いたので、この国で事業を始めることにしました。


村上由里子(むらかみ・ゆりこ)さん1987 年生まれ、静岡県出身。聖心女子大学卒業後、青年海外協力隊でルワンダにわたり、ホテル経営に携わる。その後星野リゾートを経て、2016 年に渡緬し家事代行業の「ハーベスト」を起業した。現在同社社長。
――2016 年に渡緬してまだ日が浅いですが、だいぶ顧客も増えてきたようですね。どんな点に力を入れているのでしょうか。

 

はい、現在30 名弱のお客様に利用いただいています。家政婦は今度増やして6人になります。力を入れているのはトレーニングですね。例えば「汚い」「綺麗」という価値観は、外国人とミャンマー人では極度に異なります。たとえば、外国人はトイレとキッチンを同じ布で拭くというのは考えらえれませんが、そういうことを家政婦には教えなくてはいけません。最初の一か月はアイロンがけなどバックオフィスで訓練します。家政婦をただ紹介する業者では、その教育はお客様に任されてしまってていますが、私たちはトレーニングを受けた家事のプロがサービスを提供するのです。

 

マニュアルは機能しないので、写真のカードを束にして、首にぶら下げることができるようにしました。この写真カードをめくると、何をどのような順番で行えばいいのか、また注意点などがわかるようになっています。また、物を壊してしまうなどトラブルの場合も、きちんと対応するなど徹底しています。

 

――白い麻のシャツが皆さんのお揃いですね。

 

はい、ユニクロなんですが、ユニフォームにしています。これを着ると仕事に入って、脱ぐと個人に戻るという切り替えができるのです。私はミャンマーのメイドさんをクールにしたいと考えています。家政婦はダサくて、身分が低いと思われがちですが、それは違うと思います。家政婦が汚い恰好で掃除してもらっても、部屋がきれいになった気がしないのではないかと思うので、清潔であることには意味があるのです。ヤンゴンのヨーミンジー通りで月1回、清掃ボランティア活動を行っています。街を綺麗にするという人のコミュニティの中心に、うちの会社のメイドさんがいるというのは意味があると思っています。

 

【インタビューを終えて】
ルワンダでの青年海外協力隊に、グラミン銀行でのインターン、星野リゾート勤務など様々な経験を経てヤンゴンにたどり着いた村上さん。その言葉の通り、家政婦の姿はどこか誇らしげだ。これからも、ミャンマーの女性をクールにしていってほしい。(掲載日2018年6月29日)