2017年度、水産物輸出額は、過去20年最高の 7億ドル超。加工・製品化が輸出額増加に影響か。
【経済】2017 年度の水産物輸出額、7億ドル超
(2018年4月4日 第761号)
農業・畜産・灌漑省水産局は、2017 年4月1日から 2018 年3月 31 日までの水産物の輸出額が過 去 20 年間で初めて7億米ドル(=約 744 億円)を達成したことを明らかにした。同局のトゥンウィンミン 主任によると、魚やエビ約 47 万トンを輸出したという。
同局によると 2014 年度までの輸出額は4億ドル(=約 425 億円)から5億ドル(=約 531 億円)、 2015 年度は5億 200 万ドル(=約 533 億円)、2016 年度は6億 500 万ドル(=約 643 億円)であった という。魚醤・干物生産者のトゥンセイン氏は「漁獲量はそれほど変わらないが、価格が上がったこと と以前は原材料として輸出していたものを製品の輸出に切り替えたことで輸出額が増えたのではな いか」と語った。
同局は今年度 10 億ドル(=約 1,060 億円)の輸出を目指しており、魚やエビの養殖エリア設置に向けてヤンゴン管区政府とともに準備を進めているという。
(4月1日発行/The Voice 上の記事を再編集)
【編集部所感】
2017年度の水産物における輸出額は、過去20年間で最高値を達成した、との報道だ。具体的には、魚やエビなどをはじめとして47万トンの輸出額の合計が7億米ドルを超えたとのことで、輸出額は増加の一途を辿っている。
関係者の話によれば、漁獲量が増えた影響よりも、国内で加工して製品化した上での輸出に切り替えたことで、輸出額の総額が増加したのではないか、との事。
ミャンマーは、農作物にしても、水産物にしても、加工ができず、原料をそのまま輸出するだけに留まっているケースが少なくないと聞く。電力を含めたインフラ整備が遅れている影響などから、工場設備なども整っておらず、加工技術が低く、原料を出すだけ、になっているわけだ。
一方で、水産業においては、加工して製品化する流れができているのかもしれない、との報道だ。隣には工業化の進んだタイがあるため、大型投資をするメリットは少ないと判断する企業も少なくない。
しかし、こうした明るい話題があれば、また次の判断をする企業も出てきそうだ。ヤンゴン管区も養殖に向けて舵を切ろうとしている。海岸線の長いミャンマー、水産業が比較的 早く花開くのかもしれない。
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