ミャンマーから日本に輸出されたゴマがすべて返送。残留農薬への意識強化が必要。

【経済】残留農薬量増加で日本に輸出したゴマ返送される

(2017年8月4日 第661号)

今年7月、日本に輸出したゴマに含まれる残留農薬が基準量を超えており、ミャンマーに返送され た。
ミャンマー豆類・ゴマ商協会の副代表は、「日本と取引している企業は5社ほどあるが、すべて送り返された。このような問題が起こると両国間の良好な貿易関係を崩し今後の貿易が出来なくなる可能性がある」とコメント。
農家からは農薬利用に関して農業畜産潅漑省がガイドラインを示すべきだという声も出ている。日本は年間2万トンから3万トンのゴマをミャンマーから輸入している。昨年は EU 諸国でも豆に含ま れる残留農薬のために同様の問題が起きた。
(8月2日発行/7Day News 上の記事を再編集)

【編集部所感】

ミャンマーから輸入されたゴマがすべて返送され、それに対して、協会からのコメントに触れたニュース。
ミャンマー側の言い分もわからなくはないが、おそらく取引を前に契約がなされているはずで、契約違反を行ったための措置だと考えられる。「残留農薬に関する認識の甘さ」ゆえの事態ではないか、と考えられる。その点を棚上げしてのコメントであり、少し首をかしげたくなる協会側のコメントだ。
すべて送り返され、商取引が成立しなかったことに怒る気持ちはわからなくはないが、今後の両国の商取引のためには、記事内でも触れられている通り、ミャンマー側もルールを制定し、検査機能の強化等の対応をすることが求められるのではないだろうか。生産農家を中心とした意識改革を進めて行く必要があり、決して簡単ではないが必要な対策である。
外貨獲得の手段が少ないミャンマーにおいて、年間2万〜3万トンを輸出できる「ゴマ」は魅力的な作物のひとつ。だからこそ、その質を高める、といった部分に着手して欲しい、とも思う。この件を受けて、日本・ミャンマー間の取引が削減する、といった事態に繋がることなく、両国の関係、質の向上へシフトするための出来事だ、と認識して取り組んでいただき、両国関係がさらによくなっていって欲しい、と願う。

=

ミャンマー現地より、最新情報を週3回(月400本)配信。

配信本数No.1 の ミャンマーエクスプレス1ヶ月無料購読は下記より
 
【配信元】
日本語・英語・ミャンマー語翻訳のプロフェッショナル
ココライズ・ジャパン/KOKORIZE Myanmar
翻訳の依頼もお受けしております!