トヨタに製品を納めるカーシート地メーカー ツヤトモ が、ミャンマー工業省との合弁会社設立へ。

【経済】(株)ツヤトモがミャンマー参入-カーシートをトヨタに納品へ

(2018年10月17日 第843号)

ミャンマー工業省HPより http://www.industry.gov.mm/my/article/news/976

 

カーシート地メーカーのツヤトモ株式会社は、バゴー管区ピー県シュエタウンにある工業省傘下の第1繊維工場を拠点とし、繊維加工事業に本格参入する。先日、ミャンマー政府と の間で了解覚書(MoU)を締結した。
ツヤトモは、2017 年4月に1年間の MoU を締結後、今年4月に契約を半年延長し、現地調査を進めてきた。10 月初旬にはミャンマー投資委員会(MIC)に調査報告書を提出。工業省との合弁企業設立を申請しており、許可が下り次第、事業を開始し、トヨタへカーシートを納品するという。出資比率は、ツヤトモが 60%、ミャンマー側が 40%。
ツヤトモは、繊維産業の「川中工程」と呼ばれる糸の高圧染色、仕上げ加工、難燃加工において高度な技術を有しており、それらの繊維加工技術と設備を導入する。同繊維工場は日中の経済協力 で建設され、1982 年に操業開始。労働者約 1,500 人体制で衣服や寝具を製造している。
(10 月 12 日発行/The Daily Eleven 上の記事を再編集)

【編集部所感】

この記事には、大きく1つの「?」が浮かんだ。「カーシートをトヨタに納入」と記事内にあるが、今のところ、ミャンマー国内にトヨタの製造工場はない。そのため、トヨタに納入する前提 との表現が正しいとすれば、トヨタが工場を建設する事になるわけだ。しかも、この工場は、ただの新設工場ではなく、これまで工業省傘下の工場を拠点にする、との事で、ミャンマー政府もガッツリ噛んでいる案件なわけである。
しかも、MoU締結は 2017年4月。色々と「?」が浮かぶ。あえて「トヨタ」を忘れれば、ここ数年で 輸入規制の強化がはじまり、ニッサンやスズキ等の日本の自動車メーカーを含めて、各社がミャンマー国内で自動車製造をする方向に舵を切っている。「トヨタ」以外にもニーズは、今後 間違いなく生じてくるであろうし、先を見越した投資と考えても、絶好のタイミングだとは思う。また日本からミャンマーへの技術移転の貴重な機会でもある、とは思う。
しかし、どうしても気になるのが「トヨタ」の影。トヨタは、隣国タイに巨額投資をし、複数の工場に加え、裾野産業も抱えている。日系企業全体の動きで見れば、タイからベトナムの流れ。そんなタイミングだが、トヨタが動けば、ミャンマー投資は大きく変わる。トヨタの動向から、やはり目が離せない。

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